■患者アンケートにある2つの目的

2016/09/02

---------------------------------------------------------
患者アンケートにある2つの目的
---------------------------------------------------------

スタッフが良いパフォーマンスを発揮したり、
高い向上心をもつためには、
仕事にやりがいを感じてもらうことが大切です。

では、スタッフがやりがいを感じるのはどんな時でしょうか?

それは、やりたい事に集中できている時、
あるいは努力をして成果が出た時だと思います。


それでは、スタッフが求めている成果とは何なのか?

答えのひとつに「患者さんに喜んでもらうこと」が挙がると思います。
自分が関わることで患者さんが喜んでくれる。
患者さんのために工夫したことが、患者さんの笑顔として返ってくること。
そのようなことの積み重ねがスタッフのやりがいを高めているのです。

つまり「患者の喜び」を上手にスタッフのモチベーションに繋げること
ポイントとなります。

そのために患者満足度アンケートほど使えるものはありません。

患者満足度アンケートの目的は2つあります。
ひとつは、患者さんの不満・要望など改善すべきポイントを知ること。
もうひとつは、喜びの声をたくさん集めて
スタッフのモチベーションに繋げることがあります。


---------------------------------------------------------
■島根県松江市ぽよぽよクリニックの事例
---------------------------------------------------------

ぽよぽよクリニックでは、年に1度きまった時期に患者アンケートを実施します。
設問は患者動線に沿って、受付・待合・診療・検査・処置、会計に関する満足度を
5段階で設計しています。

この定量評価に加え、裏面には大きく自由記入欄を設けて、
「お褒めの言葉・お叱りの言葉」をいただくようにしています。

そこには毎年、患者さんから感動・感謝の声が寄せられています。


しかし、すべての医院でこのような声が集まるわけではありません。
喜びの声がたくさん集まる医院では、
アンケートで集まる不満の声1つひとつに対し、
丁寧に時間をかけてディスカッションしています。

例えば、「会計で待たされた」という不満に対し、深い議論もなく
「申し訳ございません。お待たせしないようにできるだけ早く進めて参ります。」と
回答を出す医院があります。これでは患者不満は解消されませんよね。

ぽよぽよクリニックでも、会計の待ち時間で不満の声がたくさん挙がった時期がありました。
その時は、会計のオペレーションとスタッフの動きを見直すとともに、
スタッフ同士の話し合いで「会計で10分以上お待ちの方はぜひお声かけください」と
患者にアナウンスをすることにしました。
これにより、患者の不満の声が徐々に減っていきました。

ここで大切なのは、スタッフが考えた施策の良し悪しではありません。
患者の声に対してどれだけ本気で向き合えたのか?
その姿勢こそが、患者満足度が高まる組織かどうかのバロメーターであると思います。
「この程度でいいだろう」ではなく、徹底した議論をしている医院に患者の喜びの声が集まるのです。


このように、患者に対して一生懸命なスタッフ達だからこそ、
患者アンケートでは長文のメッセージが多くなり、
スタッフを名指しでお褒めくださるケースも出てきたのです。
それはまるでファンレターのようで、
毎年アンケートに目を通す院長・スタッフは感動で胸がいっぱいになるそうです。

図2


(実際のアンケート記載)-------------------------------------------------------------------

『昨年、夫の転勤に伴い、生後3ヶ月の初めての子どもを連れて東京から松江に引越しして参りました。
初めての地、初めての子育て…何から何まではじめて、その上親類・家族もみんな東京。
とにかく不安でしかなかった引越しでした。

最初に心配したのは子どもの病院探しでした。友人もいない、相談できる人もいない中、
夫が職場でぽよぽよクリニックがいいと教えて貰い、恐る恐る東京からぽよぽよクリニックに電話をし
予防接種のことを相談しました。同時接種にするか個別に接種するか、私自身も分からない状態で
何かアドバイスを頂ければという気持ちで相談したところ、本当に感動する対応をして下さいました。

一番感動したのは「私の話し・不安を親身に聞いて下さった」、その気持ちが電話で伝わってきたことです。
私は長年サービス業に勤めていましたので、電話の応対で、その方がどれほど親身になってくださっているかは
分かるほうだと思っています。
私も心を開いて自分の不安を打ち明けられましたし、納得のいくお返事、アドバイスを頂くことができました。

私から電話をして相談しているのに、時間がとれるときにこちらからかけ直しますと
電話番号も聞いてくださり、わざわざ東京までお電話も頂きました。
どれほど心強い気持ちで松江市に引っ越してこれたか、感謝の気持ちでいっぱいです。

対応してくださったのは、○○さんという女性です。お名前をお伝えするべきか迷いましたが、
人を感動させるってこういうことだと教えていただいた○○さんに心から御礼申し上げます。
何かあったときに相談できる場所がある、信頼できるお医者さんがいるというのは何よりも心強いことです。
(以下、略)


-------------------------------------------------------------------------------------


「自分たちの頑張りが認められた!」
「頑張ってよかった。もっと頑張りたい!」

そんな思いが強くなり、更に患者に真剣に向き合うようになりました。


頂いたメッセージは全員で目を通した後、月に2枚ずつバックヤードに掲示しているそうです。

図1


スタッフの想いと行動が、患者の喜びの声を集め、
その喜びの声に反応して 更にスタッフの行動が加速化されるという
『好循環』がクリニックの中で生まれています。

患者アンケートでは、改善に繋がる声を集めるのはもちろんですが、
それ以上に患者の喜びの声を集めて スタッフのやりがいに繋げることが大切なのです。